彼岸の中日、汗にじませ墓参り(秋彼岸会法要の報告)

平成25年9月23日(秋分の日)秋彼岸会法要は無事執り行われました。この日の神戸は高気圧に覆われ、日中は太陽が照りつけ、30度を超す真夏日並みの暑さとなった。秋晴れの下、墓園には多くの家族連れが、花やお供えを手向けて先祖を供養した。

彼岸は雑節の一つで、春分と秋分を中日として前後各3日と合わせた各7日間(1年で合計すると14日間)を指し、この期間に行う仏事を彼岸会と称する。仏教では中日に先祖に感謝し、残る6日間は悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜」を1日ひとつずつ修める日とされている。

彼岸に供えるものとして「ぼたもち」と「おはぎ」が作られ、この名は彼岸のころに咲く牡丹(春)と萩(秋)に由来する。当山の萩の木は生憎昨年冬に短く剪定した直後のためか、青葉だけが茂り花は見られず残念であった。ただ、墓地の水汲み場に咲いた彼岸花が、西方に沈む太陽に拝むかのごとく、鮮やかな赤色で姿を見せてくれて、秋の深まりを感じさせてくれた。

ところで、萬葉集には彼岸花を題材にした歌が一首詠まれている。

   道野辺の いちしの花の いちしろく 

             人皆知りぬ 我が恋妻は

「いちしの花」は、今の大黄,羊蹄(ぎしぎし),虎杖(いたどり)、草苺、いちひしば、えごのきなど諸説あるが、彼岸花が有力である。歌の意味は「道端に咲く彼岸花は炎のごとく真っ赤に咲き人目につく。私の恋しい妻のことも、その花のように知られてしまった」というもの。

また、この花を目にすると、「赤い花なら曼珠沙華」と唄われた歌謡曲「長崎物語」を思い出す。「曼珠沙華」は彼岸花の別名で、「赤い花」「天上の華」という梵語に由来し、おめでたい兆しともされる。多年草で開花期は9月で、毎年彼岸の時期に合わせるように必ず咲く。郊外の田園地帯に入ると、秋の豊作を告げるかのように、稲穂の周りを縁取り模様に施し、彼岸花が田園風景を盛り上げて見せるのである。

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